分数の割り算の謎に迫る!

分数の割り算
みなさんは分数の割り算ができますか?
というと、「ああ、分母と分子をひっくり返して掛けるんだろ?」と言います。
そうです、あの分子と分母をひっくり返して掛けるやつです。
では、なぜそうすると、答えが導けるのでしょうか?
もし、それを習ったばかりの子供に「どうして分数の割り算はひっくり返してかけ算にするの?」と言われたらどうやって答えますか?
もちろん、そうやると正解になるから覚えろ、というのも一つの手でしょう。
ですが、きちんとした説明が出来る人はあまり多くないのではないでしょうか。
ここでは、分数の割り算をわかりやすく説明したいと思います。
ちなみに、この説明で、文系で「割り算は分母分子ひっくり返してかけ算に直す」と暗記していたうちの母が納得いったような顔をしていきました。
この様子では明日になったら忘れていそうですが(笑)
まあいいでしょう。ではやっていきましょう。
スポンサーリンク直感的に考えてみる
分数の割り算を直感的に考えてみます。
とはいえ、分数で割る機会が少ないのも事実です。というのは人間やお金といったものは整数基準だからです。
1/2人とか400/7円とか言わないですよね。ということで問題が作りにくい、というのがあります。
例題:
あるヒーローは40%の力を出すことで、20メガトンクラスのパンチを放つことができます。
では、100%の力を出したとき、パンチの威力はどれぐらいになるでしょう?
メガトンの使い方はともかく(力の威力に質量の単位を持ってくるのはどうかと思うが、パンチングマシーンではこうなっていたので・・・・・・)、こういった問題があったとします。
40%を分数に直すと40/100(100分の40)、約分すると2/5ですね。
計算式で表すと、20÷(2/5)ですね。
これをちょっと遠回りして計算しましょう。
40%で20メガトンですから、10%だと5メガトンになるはずですよね、それを10倍すれば100%になるから、5×10=50。
つまり50メガトン、が答えですね。
つまりこのヒーローは全力を出すと50メガトン級のパンチを放つことができそうです。
これを覚えている通り、ひっくり返してかけ算にしてみましょう。
20×(5/2)=50
おお、確かに同じく50メガトンという答えが導き出せました。
ということで、どうやら、分数の割り算のときは、分子と分母をひっくり返せば分数のかけ算に出来そうです。
分数と割り算の密接な関係
まず、分数とは何でしょうか。
例題を出しましょう。
「1つのケーキがありました。これを3人で平等に分けたとすると、1人あたりのケーキの量はいくらでしょう?」
このように、答えは1/3となりますね。
ここからわかるように、分数というのは「割り算の一形態」と言えます。
割り算は「割られる数」を分子、「割る数」を分母においた分数で表すことができますし、逆も然りです。
×1、÷1の秘密
ある数は1で掛けても、1で割っても変わりません。
3×1=3ですし、4÷1=4です。
文章で表しても明らかですね。
1人3個リンゴをあげるとして、1人しかいなかった場合、必要なリンゴは3×1=3個ですし、
3個のリンゴを1人にあげるとしたら、1人あたり3個(3÷1=3)あげることになります。
また、さっきの割り算と分数の関係から、3÷1=3/1(1分の3)=3ですから、
整数は、1を分母とする分数で表すことが出来ます。
これらが、分数の割り算を解くときにヒントとなります。
どういうことか、というと1を掛けても割っても変わらない、というならば、
5とあるのを5×1としてもいいし、5÷1=5/1としてもいい、ということです。
スポンサーリンク割られる数と割る数が同じとき
5÷5=1,10÷10=1のように、割られる数と割る数が同じとき、答えは必ず1となります。
例題としては、
「2個のリンゴから2リットルのリンゴジュースがとれたとします。このとき1個あたりどれぐらいのリンゴジュースがとれますか?」
2個で2リットルなら、1個だと1リットルだろうと、想像つくと思います。
計算式でいうなら「2÷2=1」ですね。
これがもし「4個のリンゴから4リットルのリンゴジュース」だったら?
「7個のリンゴから7リットルのリンゴジュース」だったら?
いずれも、1個のリンゴから1リットルのリンゴジュースが取れる計算になりますよね。
これは、分数でもできます。
「1/2個のリンゴから、1/2リットル(=500ミリリットル)のリンゴジュースが取れます。その時1個のリンゴから何リットルのリンゴジュースが取れるでしょうか?」
1/2個のリンゴというのは、リンゴを半分に切ったものだとお思いください。
やっぱり1個のリンゴなら、1リットルになりますよね。
つまり、割られる数と割る数が同じ時、必ず答えは1になります。
(ただし0÷0は定義されていないので、0は除きます)
分数のかけ算と割り算
まず、分数のかけ算が分子同士、分母同士のかけ算が成立するのを、例題で確認しましょう。
例題:Aくんは、1時間働くとリンゴが3/2個貰えます。では20分(=1/3時間)働くとリンゴはいくら貰えるでしょう。
時給制だから20分では1個も貰えない、というはなしで。
(3/2)×(1/3)=(3/6)=(1/2)
つまり、Aくんは1/2個貰えます。直感的には明らかですよね。だって1時間の1/3働いたら、対価も1/3になっているはずで、だから1/2個ですよね。
40分働けば、1個、1時間働けば問題文通り3/2個貰えます。
このように、分数のかけ算は分子同士、分母同士のかけ算です。
分数同士の割り算
まず分かりやすい例を考えてみましょう。こちらの2式を考えてみましょう。
こちらはどちらも正しいですよね。
上の式は同じ数で割っているだけですから1になりますし、
下の式は分子は4×1=4、分母は1×4=4で、4/4となりますから、約分して1ですね。
ここで、青枠で囲ったところを見てください。
そして、4は1を分母とする分子で表せることを思い出してください。
このように分子と分母がひっくり返ってます!
他の例も見てみましょう。
これらも両方正しいですね。
上の式は割られる数と割る数が同じなので1ですし、下の式は分子同士、分母同士計算すれば1になります。
これも青枠に注目すると・・・・・・。
やっぱり分母・分子がひっくり返っているのがおわかりになるでしょう。
これは、他の数字でも適用できます。
数学的にも分母分子のひっくり返しで、割り算はかけ算になりそうです。
ただ、1回覚えれば、次回からはいちいちやる必要はないと思います。
いつも通り「割り算は分母分子をひっくり返してかけ算にする」、と覚えるだけで十分です。
だって面倒だしね。
※ちなみにこの説明はいくらか数学的にはしょっているところがあるので、数学をよく学んでいる方には怒られるかもしれませんが、こちらは数学が苦手な人のために数学的要素をできるだけ避けようとしてみた結果ですので、ご了承ください。
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