AI(人工知能)が将棋でプロ棋士に勝利する時代

   

AI(人工知能)が将棋でプロ棋士に勝利する時代

将棋の棋士とコンピューターが戦う”電王戦”にて、
AI(人工知能)が搭載された将棋ソフト、その名も「PONANZA(ポナンザ)」が佐藤天彦名人に連勝したニュースは、

既に、AIの将棋の実力がプロ、それも最上位レベルを上回る程になった、ということを示しています。

電王戦もAIの14勝、人間側の5勝と、AIが大きく勝ち越しています。

昔はプロの棋譜を参考にプログラミングや学習を行っていましたが、今はその域を抜けだし、自分の考えた手を自分で良かったのか悪かったのか判断し、学習していくという独自の学習方法で進化しているそうです。

もう将棋AIにはプロ棋士は勝てないのでしょうか・・・・・・。
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将棋AIの歴史

「コンピュータに将棋をさせる」ことは1970年代から行われてきたとされています。

つまりもう既に40年以上の歴史があるわけです。

しかし、急激に力をつけたのはここ数年、10年くらいだと思います。

2007年、Bonanzaが、渡辺明竜王が対局。結果は渡辺竜王が勝ったが、かなりの熱戦だったそうで、プロとソフトの公開対局が禁止になったくらいだそうだ。プロ側がそれだけAI将棋に脅威を抱いたと考えていたのでしょう。

そして、2012年の電王戦で、「ボンクラーズ」が米長邦雄永世棋聖に挑み、勝利、
2013年3月30日の第2回将棋電王戦において、「ponanza」が佐藤慎一に勝利、など

徐々にAI将棋がプロを打ち破る時代がついにやってきてしまいました。

そして、現在に至っています。

将棋AIの強さの秘訣

一般的に将棋プログラムは、探索(先の指し手を読む)と評価(その手が良いか悪いか判断する)で成り立っています。
これまでは、自然な流れを重視して、開発者が最適な指し手を選ぶ“選択探索”が主流でした。

ですが、流れを変えたソフトであるBonanzaは、ある局面で考え得るすべての指し手を評価する“全幅探索”を採用していました。
開発者が決めたパラメータに従うのではなく、自ら学習してパラメータを生成したそうです。

さらにそこに並列処理を加えます。

Ponanzaもまた、「全幅探索」を行ない、6手先における考え得る全ての手を考え、評価関数によって全て数値化し、データベースに蓄積し、また機械学習に反復させることでどんどんデータを蓄積していく、という構造なんだそうです。

結果、どんどんPonanzaは強くなり、最終的にはプロ棋士をしのぐほどになるわけです。

序盤はやや苦手なAIですが、中盤にさしかかると、棋士側が手筋や定跡通りに指していてもコンピューターは正確無比でミスはしなくなってミスをする人間側が苦しくなり、終盤になると、「詰み」の有無を判定する作業は、人間なら見逃してしまうような超長手数の詰みでも、コンピュータなら容易に詰みを発見することが可能です。

これらがAIの強み強さの秘訣ともいえるでしょう。
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今後のAIと将棋界

プロ棋士は、将棋AIとこれからどうやって共存していくのでしょうか。

対戦相手のデータ分析と将棋プログラムを使った棋譜解析は人間の記憶よりもコンピュータの消えぬデータに軍配が上がります。

西尾明六段は、

「想定した局面で自分が考えた手をいくつか実際に指してみて、コンピュータがどう評価するか。それを数値で確認し、自分の読みで合っているか、裏付けをとる。そうすることで別の局面に進んでも対処しやすい面があるからです」

と、コンピュータの評価を一種の”答え合わせ”のように利用していることがうかがえます。

若手を中心に、将棋プログラムを活用する棋士が増え(今後、この動きは加速しそうですね)対局のありようも変わって来るでしょう。

実際に、今若手の中で一番乗りに乗っている棋士である、藤井聡太四段は奨励会三段のときから、気になる棋譜をAIで分析し、正確な形勢判断や最善手を探るなどして対局に生かしているというらしいとのことです。

また、将棋というジャンルというのは、たとえAIが発達しても、人間同士の戦い、というのがクローズアップされます。

今後、AIを活用しながら、人間ならではの創造性を組み合わせた新たな棋士が現れることが期待できます。

あ、藤井四段がそうですね。

また、AIには、将棋における「最強の一手」を探し続けて欲しいと思いますし、

将棋はそのゲームの性質上両者が最善手を指し続けた結果、「先手必勝」「後手必勝」「引き分け」の3つのどれかに収束されるとされていますが、
まだどれが正解かわかっていません。

将棋AIはこれの解明も期待されます。

今後も、将棋界、ひいては将棋のAI(人工知能)に目が離せませんね。

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