履歴書の職歴、「嘘をつく」vs.「正直に書く」どっちがいい?
目次
あまり立派でない職歴を持っている人へ
職を転々としていて、一つの仕事に長く続いたことがない・・・・・・。
職を解雇されてしまった・・・・・・。
仕事をしていない期間(空白期間)がある・・・・・・。
これらは履歴書の職歴として、マイナスな点になってしまうのはわかると思います。
採用担当者サイドに立ってみれば、
「社会経験が不十分な奴で仕事を任せられるだろうか?」
「またすぐ辞めてしまうのではないか?」
「うちでも何か不祥事を起こすのではないか?」
と、
不安になってしまいますからね。
それら不都合な点を隠して履歴書の職歴を記載したい、という気持ちがわき出る、なんてこともあるでしょう。
たとえば、
1.入社・退職の年月日を改ざん(空白期間を消したり、一つの仕事を長く続けたように見せる)
2.バイトや派遣なのにまるで正社員のように記載
3.短期間で辞めた職を記載しない
4.未経験なのに経験があったように記載する
5.資格やTOEICなどの点数を盛ったり、ないのに「ある」と記載する
6.大学中退なのに大学卒業と記載する
などです。
果たして「嘘をついて不都合な点を隠した履歴書」vs.「不都合な点も含めて正直に書いた履歴書」
どちらが履歴書としていいのでしょうか?
履歴書の職歴の嘘はバレるのか?
昔ならともかく、ネットもある現代、職歴の嘘がバレる可能性はきわめて高いと言わざるを得ないでしょう。
もちろん、100%ではありません。中には隠し通せた、という人もいるでしょう。
ですが、多くの人はバレます。しかも思わぬ場面から。
自分が気を付けていればバレない、という訳ではありません。
なぜなら、バレる出所が自分ではなく、他人であることも多々あり、もはや自分でコントロールできる範囲を超えています。
また、一度ついた嘘はその仕事に就いている限りついて回ります。嘘は、もしかしたら明日バレるかもしれませんし、来年バレるかもしれません。
そういった時間がわからない爆弾的要素を持ってしまうことに繋がります。
どうやって履歴書の職歴の嘘はバレるのか?
様々な場面から、職歴の嘘がバレます。
1.話に矛盾がある、スキルが明らかに不足していてかみ合わない
明らかに話が合わない、職歴に書いてあることと面接などで言っていることが一致しない場合、
採用担当者は「履歴書に虚偽があるのではいか?」と思います。
まず採用されないでしょう。
また、資格が必要な職で、それを偽って通った場合、資格を持っている人なら当たり前に持ち合わせているはずの知識やスキルを持ち合わせていないと、見る人が見ればわかってしまいます。
2.リファレンスチェック(問い合わせ)でバレる
全ての会社がやるわけではありませんが、会社によっては、応募者の以前の同僚や上司に対し、応募者の経歴や人柄を問い合わせるリファレンスチェックを行うこともあります。
その場合、履歴書の内容と食い違う内容が出てきてしまえば、一巻の終わりです。
経歴詐称をしている人が増加すればするほど、問い合わせをする会社を増えるのではないか、と予想されます。
3.前職までの関係者や友人・知人からバレる
これらが現代では多くなっています。
同業他社に転職した場合は、
前職までの関係者(同僚や上司部下など)が、取引先で出てきたり、
自分の上司が前職までの関係者と交流があったりすればアウトです。
そうでなくても履歴書の職歴に嘘をついたことを知らない友人がうっかり口を滑らせたのが、回り回って自社の誰かに回ってくる可能性は十分あり得ます。
これに現代ではSNSの存在が加わります。
Facebook経由であなたの真実の情報が漏れてしまい、バレることだってあります。
4.各種書類でバレる
まずバレる可能性がある書類は「年金手帳」です。
年金手帳は社会保険加入手続きに必要なもので会社から提出を要求されます。
ここには、過去の会社での加入履歴が記載されているので、加入歴からバレることがあります。
次に「退職証明書」。
過去の職歴をその退職した会社で証明してもらうための書類ですが、入社・退職の日を省略することはできないので、そこからバレることがあります。
他には、「雇用保険被保険者証」も危ないです。
雇用保険の加入手続きをするときに必要なものですが、直前に退職した会社名や退職日が記載されています。
普通に出すとバレます。
ただし、こちらに関しては、直前に退職した会社名や退職日が記載されている方を切り離して提出することが可能です(会社は会社名や退職日が記載されていない「雇用保険被保険者証」の方の書類の提出を求めているため)
後は、「源泉徴収票」もバレる可能性のある書類です。
年末調整のときに必要になる書類ですが、この書類には、前職の会社名、給与の額、入退職日が記されています。
ということで、ここからバレることもあります。
「紛失」したということでなんとかならないのか?
「年金手帳」に関しては「紛失」したことにして、前職までの加入履歴を消したものを「再発行」することができます。そうすれば提出を求められてもその時点ではバレません。
しかし、それは会社も承知しています。会社側からすればその再発行した年金手帳を見てどう思うでしょう?
なんらかの疑問を持ってもおかしくありません。特に他の誰かが以前同じ手口で経歴を詐称していた場合は尚更です(その人も同じ手口で年金手帳を再発行してもらっているはずなので)。
もちろん、本当に紛失しているケースも否定できないのでこの時点で追求されることはないでしょうが、他に何かあれば会社も動く可能性はあります(前職に問い合わせする、とか前職のこと知ってそうな人に聞く、とか)。
また、「源泉徴収票」は紛失した、と言ったところで再発行が容易なので、
会社「再発行して持ってこい」
と言われるだけです。
一応、自分で確定申告すると言えば源泉徴収票を提出する必要はありません(その代わり本当に自分で確定申告しなければならない)。
ですが、翌年度、その確定申告の収入額を基に計算した、住民税の請求が会社に届くので、疑念を持たれる可能性は十分あります。
先の「年金手帳」も合わせて会社に不信感をもたれてしまいます。
そうすると、バレなくとも会社に居辛くなるかもしれませんね。
嘘がバレたらどうなるの?
それは、会社とどんな嘘をついたかに依ります。
ただ、刑事罰「詐欺罪」「私文書偽造」などで逮捕・起訴されるケースはさすがにないと思いますが、
それでも、職歴での嘘は「経歴詐称」として、「解雇」はあり得ます。
少なくとも、解雇事由に「経歴詐称」は認められます。
要は、解雇されても文句は言えない、ということですね。
入社前の発覚なら内定取り消しとかでしょうか。
また、会社によっては「損害賠償」を求められることもあります。
しかし、これらを決定するのは、会社の上層部ですから、軽微な嘘の場合はそこまでいかない可能性もあります。(ただ、その会社からの信頼は落ち、居心地は悪くなると思いますが・・・・・・)
結論として・・・・・・
ここまでのことを聞いて、それでも虚偽の事項を履歴書の職歴に記載するなら、自己責任で行ってください。
ただ、この情報の飛び交う現代においてその嘘がバレる可能性は高いと思いますがね・・・・・・。
そして、もしバレて解雇となった場合、次の職を探すのも苦労します。
なぜなら解雇事由が「経歴詐称」ですから、まず書類で落とされるでしょうし、
それを隠せば、また嘘をつくことになり、またそれがバレて解雇・・・・・・といった負のスパイラルに陥ります。
因果応報というか、自分にやったことはやがて自分に返ってくるのでしょうね。
ということで、正直に書いた方がいいでしょう。
ただ、その場合でも、少しでも印象を良くするために履歴書の書き方を工夫すると良いと思います。
たとえば、長期のバイトは記載し、短期の場合は以下○○、○○のバイトをした、などとまとめて記載するとか。
とにかく、履歴書を採用担当者に見やすいものにしておけば、少しは不都合な点も和らぐのではないでしょうか。
こういった正当なことでなんとかしていきましょう。