半導体とは何なのか、分かりやすく簡単に説明してみた

      2017/10/17

半導体とは何なのか、分かりやすく簡単に説明してみた

今回は、半導体とは一体何者なのか、というのを出来るだけ簡単に、分かりやすく説明してみました。

また、半導体がどこで使われているのか、などについても解説しました。

登場人物

牧田直子・・・・・・情報収集が生きがいの少女、誰とでも難なく話せる。

野田かぐら・・・・・・理数系にめっぽう強い少女。牧田と同級生。

牧田
半導体について教えてください!
かぐら
別にいいけど・・・・・・、どうかしたのか?
牧田
いえ、なんとなく気になったので。
気になったものは調べないと気が済まないので、そういうのに強いかぐらさんにお願いしてみました。
かぐら
・・・・・・君らしいね。ま、君に頼まれるのは悪くない。
牧田
あ、ありがとうございます!
かぐら
では、早速説明しよう。
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半導体とは?

牧田
それで、半導体とは一体なんですか?
かぐら
ふむ。半導体は“電気伝導性”から定義される。
牧田
電気伝導性?
かぐら
その物質が「どれだけ電気を通すか」ということだ
牧田
なるほど。
かぐら
時に牧田くん。電気を良く通す物質は何か知っているか?
牧田
ええっと・・・・・・金属は電気を通しますよね?
かぐら
ああ、たとえば、金、銀、銅、アルミニウムといった金属類はとても電気を通す。
かぐら
こういった電気を良く通す物質を「良導体」とか「導体」と呼ぶ。
牧田
電気を通す物質がある、ということは電気を通さない物質もあるってことですよね?
かぐら
もちろん。たとえば紙やガラスといった物質は電気をほとんど通さない。こういった物質を「絶縁体」とか「不導体」と呼んでいる。
牧田
それでは、肝心の半導体は、どこに入るんですか?
かぐら
・・・・・・半導体は、その中間。
牧田
中間・・・・・・ですか?
かぐら
うん。「導体」と、「絶縁体」の中間の性質を持つ物質。それを「半導体」と言うよ。
牧田
う~ん、しかし中間と言われても・・・・・・
かぐら
言い換えるなら、そうだな・・・・・・。条件によって電気を通したり通さなかったりする物質、といったところかな。
牧田
と言いますと?
かぐら
非常に低温の時はほぼ絶縁体と同じくらい通さないけど、ある程度温度が上がれば電気が通るようになる、とか。
牧田
ほうほう。
かぐら
あとは、不純物によっても伝導性が左右される。実は不純物が一切入っていない「真性半導体」は電気を通しにくい。
牧田
へぇ~そうなんですか?
かぐら
そう。だから不純物を少し含ませることで電気を通しやすくする。またその不純物の量によって電気伝導性も変わるってことだ。
牧田
なるほど。それで電気伝導性を制御する、ということですね。
かぐら
うん。まあ他にも条件はあるけど、半導体が「条件付きで電気を通したり通さなかったりする」物質ってことはわかったかな?
牧田
はい、よくわかりました。

半導体に使われる主な材料は?

牧田
導体は金属など、絶縁体は紙やゴムなどですけど、半導体は何で出来ているんですか?
かぐら
シリコンやゲルマニウムが有名な半導体の材料だね。そこに様々な不純物を付加する。
牧田
あ、シリコンは聞いたことがあります。「シリコンバレー」とか。

シリコンバレー:アメリカ合衆国カリフォルニア州北部のサンフランシスコ・ベイエリアの南部に位置しているサンタクララバレーおよびその周辺地域の名称。

名称の由来は、多数の半導体(=原料はシリコン)メーカーが集まっていたこと+渓谷(バレー)から来ている。

半導体の種類

かぐら
半導体にはいろいろな種類があるんだ。
牧田
どういうのがあるんですか?
かぐら
大きく分けて3つある。まずは「真性半導体。これは不純物が含まれていない純正な半導体だ。
かぐら
ただ、一般には真性半導体に、なんらの不純物を加えて「不純物半導体」を作成することが多いけど・・・・・・。

n型半導体

牧田
n型の「n」ってどういう意味があるんですか?
かぐら
「n」は「negative:ネガティブ」のnだ。電気(電荷)の担い手(キャリアという)が負の電荷である電子に由来している。
かぐら
電子が余るような不純物、たとえばシリコン(4価)に対し、ヒ素(5価)を混ぜると、電子が一つ余るから、そいつが自由に動くことによって電荷が運ばれる。

p型半導体

牧田
「n」がネガティブなら、「p型」の「p」はもしかして「positive:ポジティブ」ですか?
かぐら
その通り。さっきと逆に電子が不足するような不純物を混ぜるとこちらが出来る。電子があるべきところがないので、相対的に正の電荷(これを「正孔(ホール)」を持つことになる。
牧田
電子が抜けた穴、みたいな感じですね。
かぐら
このp型、n型を組み合わせることによって、半導体のいろいろな特性がみえてくるんだが・・・・・・。少々難しいのでここでは解説はしない。

こちらの記事でダイオードについて解説しています。

半導体の原理を生かして開発されたもの

かぐら
もっとも、現在では、さっき言ったシリコンなどの「物質」そのものを「半導体」と言うよりも、その半導体を使って開発されたものを指すこともあるけど・・・。
牧田
へぇ~そうなんですか? たとえばどんなものがありますか?
かぐら
身近なもので取り上げると、「ダイオード」がそうだ。

ダイオード

牧田
ダイオードって、発光ダイオードとかのダイオードですか?
かぐら
「LED」と呼ばれる発光ダイオードもダイオードの一種だ。

発光ダイオード(LED)

このような信号機はLEDで出来ている。

かぐら
ちなみに、ダイオード自体はこういうやつだ。

ダイオード

かぐら
ダイオードには面白い性質があるのだけど・・・・・・余白が狭すぎるのでここでは解説しない。こちらを見てくれ。

ダイオードの特性とは?グラフ付きで解説!

トランジスタ

かぐら
ダイオードの他にもトランジスタも重要な半導体の部品の一つだ。

トランジスタ

牧田
トランジスタって何に使うんですか?
かぐら
トランジスタというのは、「増幅作用」と「スイッチング作用」というのがある。
牧田
名前から察するに、小さな電流を大きくしたり、ON/OFFを切り替えられたり出来るのですか?
かぐら
まあそうなんだけど、それ私が言いたかった・・・・・・。
牧田
あっ、すみません、かぐらさん。
かぐら
まあ、このトランジスタによって小型化や省電力が進んだことによって、半導体部門の研究はより進んだのは確かだ。
かぐら
今ではダイオードやトランジスタなどを組み合わせて回路を小さな1枚の「チップ」にまとめて作り込む技術まで発達している。
牧田
えっと、それって確か・・・・・・。
かぐら
集積回路。いわゆる「IC」だ。

集積回路(IC)

かぐら
ICカードやICチップが一番有名だろう。

集積回路(IC)

牧田
私も電車に乗るときは良く使っています。

※ICカードの例

かぐら
他にもキャッシュカードにICチップが使われていることもあるだろうね。

牧田
キャッシュカードのこれってICチップだったんですか。へぇ~勉強になりました。

日常で使われる半導体

牧田
半導体ってどこで使われているんですか?
かぐら
前に言った発光ダイオードやICカードはもちろん、たくさんの電化製品に搭載されているし、たとえばスマホやパソコンのCPUだって半導体は使われている。
かぐら
デジタルカメラやテレビ、エアコンに洗濯機、電子レンジに銀行ATMや電車、通信など・・・・・・
牧田
すごいですね、どれも生活には欠かせないものばかりではありませんか!
かぐら
半導体は、現在の社会には無くてはならない中枢になっているのは間違いないね。

半導体が使われている身の回りのもの

  • スマホ
  • タブレット
  • パソコン
  • テレビ
  • デジタルカメラ
  • エアコン
  • 電車
  • 銀行のATM
  • 通信系
  • 洗濯機
  • 冷蔵庫
  • LED電球
  • ICカード

などなど・・・
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まとめ

半導体とは、電気をよく通す「導体」と通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ物質です。

不純物によって「p型半導体」「n型半導体」などの種類があります。

ダイオードやトランジスタ、ICなどに半導体の原理を用いた部品が作られ、それらから多くの家電製品や社会インフラに使われています。

牧田
かぐらさん、今日はありがとうございました。
かぐら
こっちこそ、半導体のことが話せて楽しかったよ。というのもこういう話を聞いてくれる人ってあまりいないからさ・・・・・・。
牧田
また、わからないことがあったら教えてくださいね。
かぐら
私がわかる範囲で良かったら、またいつでも語るとしよう。

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